至素根譚 (しすこんたん/syscontan)

取敢えず型意思決定

 会議が伯仲してくると、必ず出てくる「やりとり」がある。
「どっちなんですか?」
「A案なんですか?」
「B案なんですか?」(スタッフ)
「はっきり決めないとその後どうすれば良いのか判断できないではないですか!」(スタッフ)
「いつもこうなんだから」(スタッフ)
「取敢えず、C案=(A案+B案)÷2でいきましょう!」(責任者)
「今後の状況をみて再度A/B案の選択を検討しましょう!」(責任者)
「本当に再度検討するのですね!」(スタッフ)
「そうです」(責任者)
「分かりました」(スタッフ)
この手の案件は「再検討」されたためしがない。
 若手がこれを責めてきた時、年配者は「状況が変わった」と返答する。
そして、その若手も年月が経つにつれ「同じ発言」をしだす。
どうも日本企業の意思決定は「曖昧」が「キーワード」のようだ。
さらに誰が責任者(責任をとる立場)なのかよく分からない。
書面にはあまりにも多い「ハンコ・はんこ・判子」
これは、何か起ったらハンコを押した全員に
「知らないとは言わせないぞ!」
という意味である。
 この「取敢えず型意思決定」について分析すると次のようになる。
「最終決定案」に反対する人々に対して
「これは『取敢えず』であっていつでも変更できます」
と発言して同意させる。
逆に、賛成した人々に対しては
「これで決定です」
と発言する。
どちらの発言が「正しい」のであろうか?
「まあ~とにかく、そんなにいきりたたずに!」
「うまくやりましょうよ!」
「皆仲良く!ネ…ネ…」
決定された「内容」の是非よりも「対立しない」ことが一番大事なことのようだ。
 このやり方でシステムの「機能」「処理」「考え方」も決定されている可能性が高い。
ほとんどのシステムエンジニアはこのような場面に少なくとも一度は遭遇しているであろう。
実態は「決定したような」「決定しないような」内容だということになる。
「どんでん返し」が何時来るか分からない。
「状況が変わった!」という伝家の宝刀を何時抜かれるか?
それを恐れながら日々を過ごすのも能がないというものである。
伝家の宝刀を抜かせない何らかの方法をとる必要がある。
「お客様が悪い」と言ったところで上司は納得してくれない。
何故ならばあなたのやっている「仕事の中身」をよく知らないし「お客様が一番怖い」からお客様の言いなりになるのは当然である。
あなたもいつかきっとそうなると心得ていたほうが良い。
もう、すでになっていたりして…
上司批判が強い人ほど上司になると「同じパターン」にはまる傾向が強い。
「取敢えず型意思決定」をするくらいならすべて部下に任せた方がもっと良い結果を生む。
「現場」「現役」が現状を一番良く知っている。
「自己中心的なあなたの行動」が周り(部下)の作業効率を著しく低下させている元凶である。
 それにしても「取り敢えず」を多用する人々が多すぎる。
そして「状況が…状況が…変わったんだ」と続く。
「前言を翻す」ことに自覚症状がない。
「取敢えず型意思決定」は決断でも何でもない!
「取敢えず」という言葉が発せられた時は前後の言葉に要注意!
 一番怖いことは、これだけ言っても、「多用していない」と思っている人であり、
さらに「多用している人」を「優秀な人」だと思っている人である。