至素根譚 (しすこんたん/syscontan)

お百姓さん

 お百姓さんの仕事は「米作り」です。
毎日、朝早くから夜遅く迄一所懸命(「一生懸命」ではない)働いています。
 春には、種を蒔き苗を作り、そして田植えをします。
雑草を取り、害虫を駆除し、案山子も作ってスズメに食べられないようにしながら秋の収穫期を待ちます。
時には、冷夏になったり台風が来ると、一年の苦労が台無しになります。
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天災には勝てません。
運が悪かったと思うしかありません。
来年もまた同じ事の繰り返しです。
お百姓さんは「米作りのプロ」です。
決しておごらず、もくもくと働いています。
少しでも「手抜き」をすると「稲穂」に影響することを知っています。
 お代官様は「年貢を取立てる」のが仕事です。
収穫高をみながら、年貢を決定します。
「6:4」だったり
「7:3」だったり
時には「8:2」かもしれません。
お百姓さんはお代官様には逆わらず言われた通りの年貢を納めます。
 お代官様は、自分が「お米を作ることが出来ない」ことを知っています。
したがって、その作り方については「口」を挟みません。
お百姓さんの日頃の苦労を目のあたりにすると「無茶な要求」もできません。
お代官様は少しでも収穫を多くする為に、お百姓さんと一緒になって荒れた土地の開墾を進めます。
苦労を共にすることによって、立場の違いはあれ、そこにはお互い「強い絆」が芽生えてきます。
 お代官様は、凶作の時体を張って「お百姓さん」を守ります。
四方八方走り回り何とか年貢を下げようと悪戦苦闘します。
己に降りかかる危険も顧みず…
お百姓さんはこう思うのです。
「このお代官様の為ならオラもガンバるだ!」
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「お代官様にこれ以上苦労させてはなんねいだ!」
これを聞いたお代官様の目には一粒の涙が・・・
そして、心の中で誓うのです。
「わしは、この土地に残りこのお百姓さんの為に人生を賭けよう!」
その後、収穫高は順調に伸びていきます。
 ところが、時々おかしな「代官」「百姓」が現れる。
「百姓より自分の方が米作りがうまいと思い込んでいる代官」
「お米を作らない百姓」
凶作であろうと構いはしない。
予定通りの「年貢」を取立てる。
お百姓さんの「明日」なんて関係ない。
代官よりエライ人に対して「いい顔が出来る」ことを最優先する。
「俺がここの『代官』である間は『凶作』は絶対認めない!」
「凶作になった原因は誰だ?」
「犯人をここへ引きずり出せ!」
原因は「種を蒔かなかったからである」ことに気付いていない。
どうも、この代官「種を蒔かなくても『米』が出来る」と思い込んでるフシがある。
 一方、チンピラ百姓は自分の田んぼを他のお百姓さんにやらせ、収穫期の時のみ「代官」の前で稲を刈ってみせるのだ。
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「♂ バカ言ってんじゃないよ♪」
しまいに、この百姓、右手に「十手」なんか持ったりして…
「♀ バカ言ってんじゃないわ♪」
このあと、いよいよ「越後屋」が登場する。
とある奥座敷で小判を「菓子箱」の奥に忍ばせ「代官」に一言。
「美味しいお菓子がここに…」
代官曰く
「御主も『悪』じゃのう!クックックッ…」
隣には「米を作ったことのない茶坊主」が座っている。

この四人組「百姓一揆」という言葉をまだ知らない。