至素根譚 (しすこんたん/syscontan)

差し入れ

「某氏が」やって来る。
「お客様の現場へ」やって来る。
「差し入れ持って」やって来る。
「クソ忙しい時」やって来る。
「午後四時頃」やって来る。
高級な「差し入れ」は一度も御目に掛かっていない。
「カップラーメン」2ケースとコンビニの棚をさらえてきたような「おにぎり」「サンドイッチ」。
各社員に声を掛ける。右手を上げて大きな声で「ヨッ!」。
社内では見せた事のない「笑顔」を振りまいて「ヨッ!」。
仕事中の皆に自分がやって来た事を「誇示」する。
現場のお客様には「いい上司」に映る。
 そして、傍に寄って来て「チョット休まない?」
お客様からお借りした「会議室」に筆者を連れていく。
ソファに対座する。
「トントントン」ドアのノックの音。
「ハーイ、どうぞ」
お客様の女子社員が気をきかして「お茶」を持ってくる。
「失礼しました」と部屋を出て行く。
「某氏」急にリラックスする。
足を組んでタバコに火をつける。
「オイ!ところで状況はどうなんだ?」(某氏)
「見れば分かるでしょう!本番に間に合うかどうかギリギリですよ!」(筆者)
「大丈夫だよなナ・・ナ・・ナ」(某氏)
「・・・・・」(筆者)
「もっと頑張れ!」(某氏)
「・・・・・」(筆者)
「やってられるか!」(筆者/心の叫び)
作業進捗状況を簡単に説明する。
「うん、うん、うん」
うなずいているが理解しているかどうかは怪しい。
「『もうひとつ』寄る所があるので・・じゃ・・・」(某氏)
「お客様に挨拶して帰るから」(某氏)
 オフィスから出る時、なぜか「お客さまのトップ」と同伴である。
ニコニコしながら「ヒソヒソ話」をしている。
「某氏」は「筆者から聞いた説明」をそのまま「熟知しているように」お客様に話す。
時が過ぎると記憶が定かでなくなる為「当日」でなければならない。
「お客様からの突っ込み」を避ける為には「酒付」でなければならない。
したがって、来社時間は「午後四時」でなければならない。
 翌日「やあ~○○常務とカラオケまで付き合わされたよ!」(某氏)
と言いつつ、右手に「領収書」が3枚。
経理担当者にそれとなく渡す。
「一次会」「カラオケ」そして「差し入れ代」

支払勘定科目は「会議費」である。