至素根譚 (しすこんたん/syscontan)

7並べ

 「システム開発手法」とくれば、現状分析・基本設計・詳細設計・プログラミング・データ切替・本番という手順で進めていくのが常道である。
そして「お客様」をそのペースに乗せていくのがSEの手腕だと思われている。
そのペースに従順なお客様は相当優秀な人であり、きっとシステムを作ったことがある人に違いない。

世の中、そんな人達ばかりでない。

ど素人のお客様を相手したことのあるSEはどれだけいるだろうか?
ど素人のお客様は「分からない事」を当たり前だと思っている。当然である。

 昔「『ピタゴラスの定理』を公式を使わず証明しなさい」と問題が出された時、優秀だと思われた生徒が解けず、 劣等生が難なく「幾何学的」に解いた記憶が鮮明に残っている。
物の本質を分かっているか否かを問われた出来事であった。

 「SEの常識」は「世間の非常識」であり「プロの間ではごく当たり前な事」が説明できない事が多い。
人間本来の発想はそんなに「順序立てて」また「論理的」に考えているだろうか?
「大まかな事」を考えているかと思うと「詳細に拘る」そして思い出したように、数日前の案件を持ち出す。
優秀だと思われているSEは即、話の腰を折って「軌道修正」しようとする。
そして、自分の質問に答えるように仕向ける。
人は思いついた時が一番その物事を真剣に考えている。今一番脳が働いている。
だから、一気に話させたほうがいいのだ。
話の腰を折った為に、後から聞くと、

「それ、何でしたっけ?」と言われる。

と言うことは、相手がどんな時に話しても対応できる手法・進め方が必要なのだ。

「お客様の話」は3つに大別される。

  • ① お客様しか知らなくて、注意深く聴く必要がある事項
  • ② 一般的な内容だが「言葉」が会社独特の為、翻訳しなければならない事項
  • ③ こちらの方がよく知っている事項

話の内容はトランプの「7並べ」のように並べて行く。

 時には、1や13から並べて行くのも良し。
お客様の好きなように並べて貰う。(話して貰う)
「歯抜け」おおいに結構!
お客様の「話の筋が読める」スキルを求められる。ただ漠然と聞いている訳にはいかない。
案が無ければ、こちらからカードを出す。(提案する)
時には「ジョーカー」も有り。何でも有りなのだ。
「受身」でもなく「おしつけ」でもない。
主人公はあくまで「お客様」である。

このやり方は打合せ時間を大幅に短縮させる。

 経験年数が少ないSEでは無理である。
「知識の世界」ではない。
「どうしますか?」を連発するSEは「下の下」である。
そういうSEほど、完成時にトラブルが発生すると「自分の責任ではない!」と言い張る。
そして、資料・メモを並べ出す。

「責任回避の為のドキュメント作成」と「無駄な打合せ」に多くの時間を費やしている。