至素根譚 (しすこんたん/syscontan)

板ばさみ

 システム開発を依頼してくるお客様の担当者は3つのタイプに分かれる。

  • タイプ1.コンピュータシステム・業務ともに精通している。
  • タイプ2.業務は精通しているがコンピュータの知識はWord・Excel程度
  • タイプ3.コンピュータ・業務ともに全く知らない。

タイプ1:お客様としては最高である。

  • 話は早い。難しさを理解している。無理のないスケジュール作成・適正なコスト算出ができる。
  • 考え方を整理して正確に「やりたい事」を説明してくれる。いままで、2人しかお目にかかっていない。

タイプ2:ほとんどがこのタイプ。

  • 業務内容に精通しているのでコンピュータシステムでどのように料理するかをお話すれば納得してくれる。
  • 共通認識に立てる。

タイプ3:「交通事故」に遭ったと思うしかない。

 筆者のお客様には「タイプ3」が多い。
言い換えれば、どの部署も引き取らない「お客様」が回ってくる。
タイプ3は大企業に多く、それでも仕事がまわるのだから不思議である。当人は至って「平気」。さらに「おうへい」。
自分では業務内容を説明できない。したがって「どうしたいか」も言えない。

ただひたすら「簡単に作って!簡単でいいから・・・」
「スペック作成の打合せ」が成り立たない。
筆者の過去の経験とセンスで作るしかない。

物が出来上がってくると、お客様は一変する。
「これじゃ満足できない」 「これが足りない」「あれが足りない」
初めての要求が立て続けに出て来る。
さらに、自分のやり方に拘り、言う事を聞かない。

「それでは非効率ですヨ」(筆者)
「いいんです。これで」(お客様)

ヘッダー名・コメント・項目名にも異常な拘りを示す。
「後でまとめて変更します」(筆者)
「いや、今直してください」(お客様)
直さないと前へ進めない。頭の中で「仮置き」が出来ない。

「いつ出来ますか?」(お客様)
「すぐには出来ません」(筆者)
「出来ないと困るんです」(お客様)
「急ぎ」ではない。「イジメ」を楽しんでいる。

直せば直すほど全体の「バランス」がおかしくなっていく。
いつまで経っても収束しない。当人は何とも思っていない。
堪りかねた営業担当者は筆者に「もうこれ以上、変更を受けるナ!」
「言われる通りにしないと騒ぎ出しますヨ」(筆者)
「ゴネる」は超一流。

時間は「タダ」ではないんですゾ!(筆者/心の叫び)

製造原価は大幅に超過している。(大赤字)

見積時に「簡単でいい」「提示額は高いヨ。そんなにかからないヨ」(お客様)
シロウトの頭で勝手に算出している。
納品後、 「これだけのシステムをこの金額で出来るとお思いですか?」(筆者)
「・・・・・・」(お客様)

これで話は終らない。
社内では品質管理(QMS)が目を光らしている。
運悪く?筆者のシステムがチェック対象になってしまった。
正常な手順でシステムを作成したか?
「逆流型アプローチ(筆者の造語/物を作ってから仕様書を作る)」にも関わらず・・・
「作文するっきゃない!!!」 これも「ひと仕事」である。
営業担当者も製造原価をそのまま計上するわけにいかない。
上司からは「大目玉」を食らう。
「それなりの数字」を計上して「黒字」として報告。
「それは大変ですネ」とお客様。素っ気ない態度。

大人しい営業担当者は声を荒げて「このお客とは2度とやりたくね~ヨ」