至素根譚 (しすこんたん/syscontan)

やけど

 パソコンを始めたばかりの時は、ひたすら「テキスト」と「ディスプレイ」を見比べながらキーボードを叩く。
変な操作で音が鳴ると「びくっ」とする。
怖い動物に触っているかのように見える。

数ヶ月後、少し慣れてくると「ひとり言」が始まる。
自分が今やっている事を口に出す。

「えーと、これをこーしてっと」
「エイ!やっちゃえ!」
「あれッ?」

この人「チョットおかしくなったかナ?」と思わせる程、夢中になってパソコンに向かっている。
「一字一句漏らすまい」と見ていたダイアログもあっという間に「はい」をクリック。
ドンドン先に進む。

この頃から拘りが出てくる。
独自のデスクトップ配置を作り出す。
他人のパソコンが使いづらいと言い出す。
「こうした方が絶対いいヨ!」と自己主張する。

キーボードはどれでも同じだと思っていたのが「タッチ」」が違う事が分かってくる。
(秋葉原には「キーボード」だけのお店がある。)
その後、変りばえしない操作が続く。
もう、画面を見ていない。
自然とマウスを移動して「クリック」。
完全に「無意識の世界」で操作をしている。

 突然、いつもと違うダイアログが表示される。
それに気付かず「はい」と「クリック」。
何も考えていない。
すると、システムがおかしくなる。
「何があったんだ?」とやっと目覚めて、オペミスに気付く。
リカバリ作業に丸1日を費やす。

その後はチョット真剣になる。入力が慎重になる。
これによって「知識」「知恵」が広がる。
これがバカにならない。「いざ」という時の判断に役立つのだ。

正常の操作しか知らない人は少しでも違う場面に遭遇すると、応用が利かない。
時には人に聞かず、独自の判断で操作をして「小さな火傷」を経験するのも習得の早道なのだ。

「大火傷」になる前に・・・